????

カウンタうさぎ→カウンタうぎぎ→カウンタハムスタ→ジジじゃない→うさぎふたたび→赤福みたいな並び方→うさぎがむけたぞ!→(自粛が増えたぞ!)→ウサギシャーベッッツ!?→ウサギシャーウッド!?→オンジュンペンギンクール→犬用ビスケッツ→くままんじゅう(栗入り)→うさぎがむけたぞ!(リバイバル)→白餡3 栗餡1→星型クッキー(PB100円)→おんどり、なにしとるんじゃ!→うさぎがむけたぞ!(サバイバル)→うさぎがうぎぎぎ→When You Wish Upon a Star→うさぎがうさうさうさ→al dente→フューチャー・イズ・ワイルド→キタヤマ(二番煎じ)→うさぎばかりの日→うさぎがぎざぎざ→うさぎがむけたぞ!!→2012年6月2日【→忍者ツールに変更】→6月6日【→FC2に戻す】→ろくがつむいかに→フリッタロッシ・スタースター!→イギータゾフ・スタースター!→銀座アスター→落ちた偶像→笑いながら死ぬ、寝不足の動物→焼肉のたれっぽい→ウサギだらけの日→ウサギだらける日→ウサギは冬の季語→みかむき。うさむけ。→やまとにごう(もどき)→ぽてち→イニシャルハムスタ→FIXED STAR→うさぎ大福→なにか→うさぎがむけたぞ!(クリティカル)→なにかのご縁→????
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

仕事なんやから

 特に仲良くしていたわけでも、慕っていたわけでもない。彼女のことが好きだった、告白して振られた、などというエピソードもない。彼女のことを覚えているのは、年齢が同じだったから。ただそれだけ。性格だとか、外見だとか、他の要素も多少はあるけれど、同い歳でなければ、そこまで印象に残らなかっただろう。生まれ年が同じ、年齢が同じということは、彼女が生きていたら、僕と同じ歳になっている。これが年上だとか、年下だとかいうのであれば、あの人は何歳になる年だっけ、と考えなければならない。
 あとから知ったことだけど、誕生日が数日違いで、三人兄弟の一番上だとか、血液型がA型だとか、占いが嫌いだとか、子供向きではないと自覚しながら、子供と触れ合う活動を続けていたとか、共通項はいくらかあったみたいだが、それらは些細なことである。すべては、同い歳ということに収束される。
 僕は彼女をさん付けで呼んでいた。年齢差はなかったものの、学年差があったからだ。僕が入学したとき、彼女は四年生だった。僕は自分から、三年ほど遅れているのだ、などと言いはしないので、知らないメンバは知らないままだろう。外見だけなら、現役で充分に通用したし、浪人してまで三流大学に通うとは誰も思うまい。高校を辞めてしまったので、そのあとの展開が、世間一般の人たちとは異なるのだ。まあ、僕のことはともかく。
 彼女は、一言で言うと、外見も性格も男前な人だった。長身で、茶髪にサングラス、カジュアルなジーンズ姿でいることが多かった。彼女が会長をやっていた当時の新入生は、彼女に憧れて入会した女の子ばかりだという話も、強ち冗談だとは思えない。実際、サークルの女の子たちの大半が、彼女を慕っているようだった。女の子が惹かれる格好良さとでもいうのか、宝塚の劇団員のような雰囲気を醸し出していた。遠目に見て、煙草を吸っているところなど、女子学生には見えないだろう。また、性格が男前で、目に余る振る舞いの男子学生を呼び出し、ひっぱたいて改心させたという逸話もあった。
 とはいうものの、僕自身は彼女と話したことはほとんどない。会った回数は、両手の指にも満たないだろう。彼女は四年生で学校に出てくることは少なかったし、僕は同学年の学生と少しずつでも仲良くやっていこうとするのに精一杯だった。たまにしか会わない上級生は、優先順位が低かったのだ。それでも、名簿での自己紹介文や、サークルで女の子たちの噂話は聞いていたから、無関心というわけではなかった。だからまあ、彼女に対するイメージというのは、会う前から、大部分が形作られていたといえる。
 憧れの人だから女の子たちの評価が高いのだ、絶対どこか誇張しているだろう、と考えていたのだが、実際に彼女と会って話してみても、イメージは覆らず、評判通りの男前な女の子だったことにびっくりした。年齢は同じだが、相手は先輩であるので、当然僕は、丁寧語で話していたけれど。当時、最新のメフィスト賞受賞作を読んでいたこともあり、人類最強の請負人というのは、こんな感じなのだろう、と思った。
 その後、ボックスにいるときや、サークル活動の様子を見て、はっきりとものを言い、行動に移す人だな、と感じた。彼女相手に、女の子なんだから、という考え方は、おそらく通用しない。嫌ってはいないけれど、できれば、近づきたくなかった。仲良くなれば、あとから後悔するだろう、というタイプだった。
 僕が入会したとき、彼女は四年生で、会長職は退いており、会長は三年生の女の子が行なっていた。その人がまた、外見も性格も彼女とは極端に異なり、みんなのお母さんという感じで、優しさを全身から発しているような人だった。僕がサークルに入ろうと決めたのは、このお母さん会長の影響が強い。
 仮に僕が一年早く大学生になっていて、彼女が会長を行なっているときにここを訪れたのなら、僕は間違いなく入会していなかっただろう。それだけはいえる。止むを得ず、彼女の人柄を知ってしまったというだけだ。──知らなければ知らないで、済ませることができたはずなのに。

 いつだったか、サークルのメンバ数人と活動を行なった日。京都駅近くのアミューズメントビルで、子供たちに配るシールを買ったあと、地下にある彼女のバイト先で昼食を摂ることになった。一緒に行った女の子たちが、この店で彼女が働いているんだよ、と言って、メンバを連れていったのだ。あるいは、彼女の店へ行くことは決まっていて、同じ建物に雑貨屋があるので、ついでにシールを買っていこう、という流れだったのかもしれない。女の子のファンが多かったからな、あの人は。
 そこは中華料理店のようだった。小さな店で、昼時なのに、他のお客さんの姿は見えなかった。席に着くとすぐ、店員が水の入ったコップを持ってやってきた。目の前に座っている女の子ふたりはお喋りを続け、何か気に入ったものでも見つけたのか、仕切りに可愛いと言っている。隣の男の子は、疲れているのか、ゆっくりとコップの水を飲んでいた。
 僕はメニューを見て、一番安い料理を探した。焼飯というのが一番安いのだが、その言葉を僕は聞いたことがなかった。なんとなく、チャーハンのような気はするものの、チャーハンは「焼飯」とは書かなかったような気がする。
 女の子たちが店員と親しげに話しているようで、顔を上げてみると、その店員が彼女だった。店の制服なのだろう、印半纏のような黄色い服を着ている。当然、サングラスなど掛けていない。なんというか、印象が違い過ぎていた。女の子たちが、仕切りに可愛いと言っていたのはこのためか。
 いや、女子大生がウエイトレスのアルバイトをするのは、珍しいことではないだろう。あの男前の彼女が、このような格好で、いらっしゃいませ、と言っているとは。予想外だ、これは。僕が見ていることに気づいたのか、彼女はこちらを向いて、お疲れ、と言った。ああ、どうも、と僕は挨拶なのか頷きなのか良く解らない返事をして、印半纏の店員さんに訊いた。
「あの、焼飯というのは、チャーハンのことですか」
「そうだよ」
 想像した通り、やはりチャーハンだったようだ。僕は焼飯を注文することに決めた。他にお客さんがいないからか、彼女は、そのまま、女の子たちと話している。各自がそれぞれ注文を告げ、彼女が厨房へ戻ろうとしたところで、僕は声を掛けた。
「その格好、見られて恥ずかしくはないんですか」
「え?」
 思わず訊いてしまった。彼女も、どう答えていいのかを躊躇っている様子だった。
「そんなん、恥ずかしいに決まってるやん」
 そう答えると、彼女は、恥ずかしがり屋の女の子みたいに小さく笑った。またしても、予想していない答えだった。男前の雰囲気はどこへ行ってしまったのだろう。けれどそのあと、いつものしっかりとした口調で付け加えた。

「恥ずかしくても、しっかりやらなあかんやろ。仕事なんやから」

続きを読む


それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

週日記終わりました

 ブログを書くのを土曜の夕食前にする。
 週日記をやめて、個別記事のみ公開する。

 平日はブログを書こうと思っていても、週末になると書く気がなくなってしまうので考えてみた。

 平日と休日で生活パタンを大きく変えないよう、夕食の時間も寝る時間も起きる時間も、同じにしている。普段なら仕事をしている時間に、執筆、掃除、洗濯、買い物、図書館、録画番組の消化。夕食後、ブログ書き、のち読書、少しパソコン、再び読書、そのあと寝る。というのが、今年1月以降、今の仕事を始めてからのパタンなんだけど、ブログ書きだけが上手くいっていない。他は、とりあえずは順調である。
 夕食後のブログ書き、というのが原因なのではないか。平日は夕食後に読書、少しパソコン、再び読書、そのあと寝る。というパタン。もしかして、本来なら読書の時間にブログを書くのを面倒に思っているのではないかと。改めて考えてみると、ブログ書きだけが夕食後なのはおかしい。週末のみする作業は、すべて昼間の予定に組み込んでいるのに。
 ブログ書きを入れるなら、執筆、掃除、洗濯、買い物、図書館、録画番組の消化、そのあと。夕食の前に入れるのが妥当なのではないかと。それなら、週末のみの作業、平日とは違った作業は夕食前にすべて終わり、夕食後の作業は、平日も休日も関係なく同じなる。なんでこのことに半年も気づかなかったんだ、と思うものの、考えようとしなかったのだから仕方がない。
 もともと、やめるつもりのブログだったけど、続けるのなら、少しは考えてみなければ、と思った次第である。

 週日記というのは、今年初めて試してみた書き方で。週に1度ブログを書くのだから、その週の出来事をまとめて書いてしまえば、記事を短く済ませることができる。という考えだったけど、これがかなり書きにくかった。1週間をまとめることなんてできやしない。
 かつて毎日書いていたブログをやめた理由は、余計なことに余計なことを加えて書くため、記事が長くなり過ぎるからである。前に書いたような気がするけれど、休日1日の出来事を書く、いわゆる普通の日記を僕は書けない。午前の出来事だけでかなりの分量になり、午後の出来事だけでかなりの分量になり、夕食後の出来事だけでかなりの分量になってしまう。日常ではなく、思考を書くことが多いので尚更。
 つまり、複数の出来事を1記事にまとめることが僕にはできない。書けるのは1記事1内容。このことを書くと決めたら、このことしか書けないのだ。書くことがひとつであれば、長さはまったく問題にならない。書こうと思えばいくらでも書ける。「ハケンアニメ」が良い例で、当初は個別記事で書くつもりでいたけれど、派遣会社という内容で統一したのだ。
 僕の頭が悪いので、マルチタスクは無理で、シングルタスクでしかブログが書けない、ということが解った。複数の内容を無理して書くより、ひとつだけに絞った方がかなり書きやすい。今の仕事を始めた当初、毎日ブログを書いていて、確かに疲れていたけれど、書きやすかったのは確かである。

 ブログを書くのを土曜の夕食前にする。
 週日記をやめて、個別記事のみ公開する。

 という形で、今後はブログを続けていこうと思う。ブログ書きを週に1度に限定できるなら、90分を費やしても良い。もっとも、毎週90分を費やす必要はないので、短く済むのなら、それに越したことはない。録画番組を少し長くするとか、夕食を早めるとか、調整はいくらでもできる。要は、夕食後に読書、というパタンになれば良いのだ。
 書いたのが1記事なら、土曜のみ公開。2記事なら、土曜と日曜に公開。3記事なら、土曜と日曜と月曜に公開。というように。休みが日曜だけのときは、必然的に日曜に書いて、日曜公開になるけれど。パタンは、土曜と同じである。日がずれるだけで、書くこと、公開されることは変わらない。

 ブログをどのように書こうか、なんて記事を求める人はいないだろうけど、この辺をきちんと決めないと先へ進めないのだから仕方がない。仕事が変われば、生活パタンも変わって、また別の書き方になるかもしれないけれど、現状では、これからしばらくは、この形で更新を続けていくつもりでいます。そのようなわけで、これが私の最後の週日記です。
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

笑っちゃうくらい 今を生きてる

笑っちゃうくらい 今を生きてる
悲しいくらい 必死に生きてる
(きみのとなりに/さだまさしwithナオト・インティライミ)

 まさか、このタイミングでこんな曲を聞こうとは。小田和正withさだまさしの「たとえば」に勝るとも劣らない。今が6月ということもあるけれど。身に沁み過ぎる。土曜の更新時に書けば良いことだけど、この曲を聞いた今、どうしても書いておきたかったのだ。3年振りのさだまさしベストはこの曲になるかもしれない。「きみのとなりに」は何度でもリピートして聞くだろう。
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

仮タイトル

 昨日の記事は、明らかに説明足らずだった。「友達や恋人のできない人が、コミュ障だと自認する傾向がある」という記事で状況を説明している。「あの子」あるいは「人類最強」でブログ内を検索すると、関係記事が見つかるかもしれない。ノイズもかなり引っ掛かるけど。
 そんなわけで、僕とあの子の中華料理店エピソード、「人類最強のちゅうかなぱいぱい」を6月に公開できれば。いや、このタイトルはさすがにないか。無難に、「仕事なんやから」というタイトルで公開しよう。
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

自殺の話をしよう

 毎年6月と11月は、決まってあの子のことを思い出してしまう。6月は命日、11月は誕生日である。誕生日は僕と数日違いなので、あの子が生きていれば、常に僕と同じ歳なのだ。そのせいで、6月と11月は、僕の鬱々な性格が更に鬱々になっているわけだが。
 これまでずっと、何か苦しいことがあって、つらいことがあって、生きていけないようなことがあって、あの子は首を吊ったのだろうと考えていた。だから、あの子が生きていけないような世界で、どうして僕が生きているんだろう、僕が生きていけるはずがない。そう思い込んでいたけれど。
 もしかして、あの子は前向きに死んだのではないか。後ろ向きな理由で死んでなんかいない。12年経って、初めてそんなふうに思ったのだ。人類最強が絶望するような何かがこの世界にあるのなら、僕が生きていくのは大変だろう。生きるのを諦めても仕方がない。そんなことを考えていたけれど、そこまでの絶望がないのなら、これからも僕は生きていけるかもしれない。
 普通の人間であれば、前向きに死ぬなんて難しい。だけどあの子はそういう人間ではない。やると決めたことをやれる子なのだ。後ろ向きではなく、前向きに死んだのだとしたら。救われるのは僕だ。今後も、僕は生きていけるかもしれない。
 遺書もないし、身内にも親しい友人にも何も話していない。死人に口なし。いくら考えたところで、あの子の考えていたことなんて解りはしない。それならば、僕が勝手に決めてしまえば良い。あの子は前向きに死んだのだ、世界にそこまでの絶望なんてない。誰にも文句は言わせない。
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

あとがきがわりに

 というわけで、派遣会社云々の記事「ハケンアニメ」を公開。3記事合わせてとんでもない長さになってしまった。内容的には、派遣会社の面接その1、その2、紹介された仕事その1、その2なので、それぞれ個別記事にすることもできたけど、これまでに書いていなかった派遣会社を敬遠する理由を含め、多少長くなっても、この機会にまとめて書いておこうと思った次第。
 僕が派遣で働くのはこれが最初で最後だろうから、そこに至るまでの経緯を書いておきたかったのだ。といっても、最後の記事をまだ書いていない。それがつまりプラスアルファで、「プライドなんか捨ててしまえ」で省いた、派遣会社とのやり取りのこと。これを書いて、現在の仕事に繋がるという。いつになるかは解らないけれど、「ハケンアニメ(終)」のタイトルで公開予定。そんなわけで、これまでのようなブログに戻ります。
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

ハケンアニメ(下)

 馬鹿みたいに飲み食いをした翌日。欠勤の連絡をして、やはり続けようと考え直しもしたけれど、今月の時給が760円になることいに思い当たり、やはりこの仕事は辞めることにした。モチベーションはなくなって、辞める連絡もできない。午前中はずっと寝ている。何も考えずに寝ているだけである。
 午後に起きた。さすがに、何も考えないわけにもいかない。制服はロッカに残してあるけれど、ロッカの鍵を持ってきたままである。これは返さなければいけない。無断欠勤、続いて、無断退職する手前、職場まで返しに行くことは憚られる。というか、怖いだけである。卑怯ではあるけれど、鍵は郵送で返すことにした。もう辞めると決めたので、寝ていても意味がない。すぐに切手を買ってきて、鍵を返す準備をする。さすがに、自分の名前と住所を書かないわけにはいかない。この会社との関わりはこれで最後だと勝手に決めて、自宅近くのポストへすぐさま投函してくる。はい、おしまい。

 同じ日に登録をした、もうひとつの派遣会社に電話を掛ける。実は1度、携帯電話に着信が残っていたのだが、もうひとつの仕事を始めたこともあり、そのまま放置していたのだ。しかし、状況が変わった今となっては、こちらから掛け直さねばならない。面接から2週間以上が経つけれど、12時間拘束のあの仕事なら、そう簡単に人は集まっていないだろう。労働時間が長い分、給料も多く入るのだ。それならそれで構わない。
 冷静に考えると、支離滅裂なんだけど、とにかく次の仕事を探すが優先になっていた。焦って仕事を探すべきではない。それは解っているのだけれど、とにかくお金が必要で、働かなければいけない状況に陥っているのでどうしようもない。給料が多くて、週払い可能。そこにしがみつこうとしているのだ。
 予想通り、採用枠はまだ残っていた。明日面接をしてもらうことになった。展開が早いのはありがたい。最初に応募した求人がどうなったのか、連絡をくれたのはどの仕事のことだったのか、これらはまったく訊かなかった。面接に行った時点で、望み薄だと感じていたのだ。どちらにしろ、新しい仕事が見つかるのならそれで良い。まあ、訊くだけ訊いてみても良かったけれど、次の仕事に応募できるかどうか、12時間拘束の仕事を始められるかどうか、そちらの方が気になっていたのだ。

 工場最寄り駅まで自転車で行き、そこで担当者と合流。車の中で説明を受け、そのあとに工場へ行くという流れ。喫茶店での面接でなくて助かった。もっとも、面接というものはなく、工場を見学したあとで僕が大丈夫と言えば、まず採用してもらえるとのこと。そうなれば、お願いします、と言うしかない。もう、あとがないのだ。
 本社で説明を受けたときと、仕事内容が違ったり、出勤時間が違ったり、耳栓とベルトが必要だとか、知らない条件がいくつも出てきたけれど仕方がない。ある程度の不満はあっても当たり前だろう。とにかく、枠が空いていた、ということに感謝しなければ。
 仕事に対しては、与えられたことをやるしかない、と割り切っていた。訊きたかったのは週払いのことで、少しでも早くお金が必要な僕には、こちらの方が重要だったのだ。税金のこともあるし、1日分を全額支払ってくれるは考えていなかったけど、まさか3000円とは予想していなかった。何時間働こうが1日3000円、月から金の5日分を週払いで、1万5000円。その上、手続きをするのに1週間掛かり、年末年始は週払いがない。来週から仕事を始めても、最初に支払われる給料は1月16日になるという。1カ月もあとになる。
 これを聞いたときは愕然とした。週払いの意味がほとんどないのではないかと。それでも、毎週1万5000円入るのは助かる。給料日が月に1度ではどうしようもないほどに困っているのだ。少しでも、わずかでも、毎週金が入るに越したことはない。それが1カ月後から、というのが不満ではあったけど、これも受け入れなければいけない。そういう状況に陥っているのだ。
 それらの説明を受けたあと、担当の車に乗って工場へ。馴染みのある風景が目に入る。以前勤めていた、4月から9月まで働いていた小さな工場がすぐ近くにあるのだ。地図では確認していたけれど、実際に見るとやはりどきどきする。派遣先の工場までは車で行けないのか、コンビニの駐車場に車を停める。このコンビニが、どちらの工場からも一番近いコンビニである。買い物する気もないのに、コンビニの駐車場に車を停めるとは、このようなことに慣れているのだろう、と担当に対して思う余裕もない。
 車を降りて、担当と一緒に歩いて工場へ向かう。歩いて5分も掛からない。通勤時間は、以前の工場と同じくらいか。コンビニへは行かないようにすれば大丈夫。なんとかなるはず、と考えながら、担当のあとに続く。かなり大きな工場で、とんでもない数の自転車が道路に停められていた。道路を挟んだ側の建物も、同じ会社の工場がらしい。そのせいか、道路を自転車置場として使っているみたい。
 担当がいなくなり、入口で少し待たされた。工場の人間と話してきたのだろう、そのあとに工場を見学することになった。いつかの派遣会社では、工場の担当、派遣の担当と一緒に見学や説明を受けることが多かったけど、ここでは、派遣の担当が説明や見学を受け持っていた。
 予想はしていたけれど、かなり古い工場だった。暖房が入っているのだろうけど、工場が広いせいか、それはほとんど効いていないようだった。これは、大きな工場や倉庫では良くあることなので、気に掛けることではない。寒ければ厚着をして対策をすれば良い。仕事の様子は見ても良く解らないけれど、初心者にもできる仕事なのだろう、という感じ。 
 一通り工場を回ったあとで、担当が 改めて訊いてきた。ここで働く気があるかどうかと。断る理由はない、というか、断るわけにはいかなかった。お願いしますと答えると、担当はまた、しつこいくらいに念を押してきた。無理なら無理と言ってください、採用になったら、もう断れませんよ。いい加減うんざりなんだが、大丈夫です、と僕は答えた。すると、担当はまたいなくなり、戻ってきて採用が知らされた。工場から出るときに、作業服を着てフォークに乗った社員らしい人の何人かに、これからお世話になります、と頭を下げたくらいで、見学と面接は終わった。バックレたときはどうなることかと思ったけれど、とにかくこれで、再び仕事持ちである。あとはもう、がつがつ金を稼ぐだけ。
 コンビニ駐車場に戻り、車の中で改めて説明を聞く。正式に決まったことで、何枚かの書面に記入する。作業条件については、既に聞いているし、受け入れている。あとは、いつから働くかである。できるだけ早い日、必要な耳栓とベルトを買ったのなら、すぐにでも行けます、と答えはしたものの、会社カレンダを見せられて愕然とした。
 今日が金曜なので、週明けの月曜から働くとして7連勤。え、7連勤? いや、休日出勤は考えていたけれど、そんなにいきなりとは思わなかったのだ。それに、初めての仕事で、慣れる前から7日連続出勤って、いきなり潰れそうな気がする。担当は、年末年始の休みに入るので、この週だけが特別だと説明したのだが、最初から危ない橋は渡れない。出勤開始を遅らせてもえるよう頼み、5日出勤して、年末年始の休みに入るようにしてもらった。つまり、クリスマスイブから始める仕事である。
 利点としては、派遣でも天引きで弁当を注文できること。日給1万円越え、給料週払い(予想より少なくなったけど)くらいか。1日1万円生活は、これまでに1度もなかったし。やろうとしたことはあったけど、できたことはなかったので、今回が初めての1日1万円生活になる。これをモチベーションにして頑張ろう。
 そう考えて、仕事の決まった4連休だからと、宮本むなしでかつ重とかけうどんのセットを食べてくることにした。明らかに避けているんだよな。担当がしつこいくらいに、出勤日に来ないのはやめてくれ、辞めるのなら今にしてくれ、それならまだなんとかできる、と言っていたことを。なんでそんな念押しをするのか、それを考えると泥沼になりそうだから、考えようとはしなかったのだ。

 そんなわけで、初出勤の日。クリスマスイブから始めた仕事である。例のコンビニ前で担当と待ち合わせ、僕が来たことにかなり安心していたみたい。だからそれが不安なんだって。どういう仕事を紹介してるんだよ。そのことは考えないようにして、車の中で最後の説明を受ける。そのあと、担当と一緒に工場へ。
 通常の出勤時間よりも早くに来たので、弁当の頼み方やロッカや着替えの場所を担当から教わる。なんで派遣の担当が工場の説明をするんだ、と妙な気はしたけれど。ロッカ前で待っているよう言われて、しばらくしたら、担当が作業服を持ってきた。それに着替えるのだが、帽子が小さ過ぎる。明らかに女性用では、と思える大きさで、仕事の前から杜撰なことにうんざりする。
 ロッカもふたりでひとつを使うと聞いていたけれど、通常の大きさではなく、小さなロッカをふたりで使うとは聞いていなかった。作業服が入るバックを持ってくるように言われていたのだが、そのバック自体が入らない。バックなど持ってこさせないで、作業服は紙袋に入れたまま、持ち帰らせれば良かったのでは。担当がロッカを初めて見たとは思えないし。
 それでも、口に出すわけにはいかない。帽子は担当が別のをもらってくるというので、それまでは小さいものを使うことにした。というか、入らないので載せているだけである。どんな間抜けなのか。始業時間が近づいて、多くの従業員が集まり、適当にその中に混ざった。朝礼かと思ったら、ラジオ体操だった。これも聞いていなくて、事前に考えていた時間よりも、15分早くに出勤しなければいけなかった。初日して不備が多い。
 体操のあとに仕事が始まる。担当はここでいなくなった。とりあえず、作業場のリーダっぽい人から案内された場所へ行って仕事を始める。言い方は悪いのだが、1年振りにDQNばかりの職場、みたいな。指示系統が上手く取れていないのだ。
 僕はリーダに指示されたことをやっていたのだが、おそらくはバイトだろう、あるいは別の派遣会社の従業員が、その仕事ではなく別の仕事をやれと言ってくる。中国の人なのか、片言で早口で解りにくい。それでも、言われたように仕事をしていると、リーダが戻ってきて、なんでそんな仕事をしているのか、と言ってきた。経緯を話すと、お前の上司は俺だから、他の奴の言うことは聞かなくて良い、と先程の仕事に戻された。中国の人の名前を知らなかったので、正確に誰に指示された、と言えないのが残念だったけど。
 こんな感じの、こんな雰囲気の職場で。どうにもやりにくいなあ、ということは感じていた。それでも、続ける気でいたので、どうにか話ができる、話の通じる人をどうにか見つけた。ひとりは、同じ派遣会社から来ている人で、長年勤めている人。もうひとりは、アルバイトっぽいけれど、質問をすれば、ちゃんと答えてくれる女の人。訊いてもなあなあで済ます人や、質問自体に答えられない人が多いのだ。リーダが常に近くにいるわけではないので、解らないときにそれを訊ける人がいるのは助かった。わずかでも支えにはなる。
 昼休みに食堂へ行った。食堂というか、食事を取る部屋である。厨房があるわけではない。初めてなので、食堂の使い方が解らず、訊ねた人が無愛想だった、ということには目を瞑ろう。前の職場と違い、昼食を食べる席は充分に余っていたのだ。ただ、この日は、昼休みが遅かったからである。リーダに聞いたところ、週に1度、昼休みが遅いときがあるという。これは作業グループで1班だけが、遅い時間に昼休みを取るみたい。1班だけというのが良く解らないが、ここではそのようにしているのだから仕方がない。
 また、なんとかの日(わざと暈して書いている)には、社員の会議で食堂を使うので、昼休みが遅くなるという。更に、弁当を頼むことができない。そして、そのなんとかの日は毎月変わるようで、日にちが固定されていない。昼休みの遅れはともかく、弁当を頼めない日が、月に1度あるということで。その日は、パンかおにぎりか、何かを買っていくしかないだろう。
 作業内容は単調で。寒いの我慢すればどうにかなりそうな。ハンドリフトを使って材料を持ってくる、というのが予想外だった。これまで、何度か倉庫の仕事をしているので、パレットに載った荷物をハンドリフトで運ぶことはできるけど、ある程度の重さのものは、フォークリフトで運んでもらっていた。つまり、バイトが運ぶパレットは制限されていたのだ。
 ここでは、その重さの荷物を運ぶのか、ということに驚いた。リーダがフォークを担当してるのだが、他にフォークの人間を見掛けないのだ。いや、見ていないわけではないけれど、別の作業場に行っているみたいで、工場の大きさに対して、フォークの人数が少ないような気がする。
 そのため、僕が作業で使う材料は、自分で持ってきて、更にそれを加工する機械の隣へ持ってこなければいけない。加工された商品は、逆の手順で外へ持っていく。寒さの中で、足腰を痛めるので、きついといえば、この繰り返しがきつかった。しかし、辞めるわけにはいかない。とにかく、1日1万円生活をモチベーションに。
 終業時間が近づくと、入れ替わりに夜勤の人たちがやってきた。日勤の人とは色の違う作業服を着ている。8時から20時までの12時間拘束。初日は早く行ったから、12時間より少し長いけれど。ともかく、初日の仕事はどうにか終えた。リーダに、続けられそうか訊かれたので、大丈夫です、頑張ります、と答えた。
 ロッカに戻ったら、ふたりで使っているロッカを、夜勤の人も一緒に使うようで、もはやこれ以上詰め込めない状態になっていた。明らかに、毎日使うものを置いていくのは無理である。自転車通勤なので、作業服を着たまま出勤できるのは助かる。電車通勤で作業服を着るのは躊躇いがあるけれど、自転車通勤ならそれほどの抵抗はない。直近の派遣で、作業服での出勤は駄目だと言われたこともあり、作業服で帰れるだけでも嬉しかった。
 自宅に戻って、派遣担当に連絡をした。初日の仕事が終わったら、電話をするように言われていたのだ。リーダに言ったのと同じく、これからも続けようと思います、大丈夫です、頑張ります、と伝えた。電話のあとで、行かないつもりだったけど、どうにか初日の仕事を終えたので、最寄りスーパへ行くことにした。
 クリスマスイブだからと、フライドチキンにロールケーキ、買ったことのない、カクテルを2本買ってきた。とはいえ、拘束12時間15分、実働10時間20分の仕事はしんどい。腰もかなり痛かった。飲み食いしたあと、すぐに寝た。明日以降も仕事があるのだ。
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

ハケンアニメ(中)

 無職66日目。昨日行けなかった、派遣だか請負だか契約だかアルバイトだか解らないけれど、便宜上は派遣と呼んでおく会社から紹介された工場との面接である。ネットの地図で確認して、時間に余裕を持って家を出る。万一のために、地図帳を持っていくのは、携帯電話で地図を見られないから。
 最寄り駅の名前は聞いたことがあり、近くの工場で面接を受けた覚えがあったけど、その工場が隣に立っていて驚く。当時は、地名や駅名も聞いたものがなく、電車通勤を前提としていたので、自転車で行ける距離とは考えていなかった。地図を調べてさえもいない。今回は、自転車で行ける距離だったので、最寄り駅が近くとも、仕事場自体が近いとは考えなかったのだ。まさか、壁を挟んで隣り合っていようとは。とはいえ、そこは面接で不採用だったので、隣の工場で働くことに影響はない。
 向かいに公園があったので、そこを目印に向かったら、迷うことなく無事に着いた。思ったよりも近い。これは、電車よりは自転車通勤の方が良い。雨の日は気をつけて自転車に乗るか、電車に乗ってくれば良い。勤務地だけは、かなり理想的である。時間より前に着いてしまったので、公園でしばらく時間を潰す。先に工場の前を通ったときは見掛けなかったけれど、面接時間の5分くらい前に行くと、入口のところで、例のおっさん担当が待っていた。電話を掛けたというのだが、僕は面接の前には携帯電話の電源を切っている。
 自転車を置いて、工場の中へ向かう。事務所のような場所へ行き、そこで担当が事務の人と話し、別の部屋で待たされて、ようやく工場の責任者がやってきた。役職は忘れたけれど、単なる人事というのではなく、偉いさんが採用担当を兼ねているみたい。派遣担当よりも、更におっさんだった。ツナギを着ているので、いかにも作業員、という感じだった。
 会社説明の用紙が用意されており、それを見ながら説明を受けた。そのあとに、工場の面接。偉いさんが先頭に立ち、僕と派遣の担当者で。採用されたら、僕が働く場所と、たまに応援に行ってもらう場所の見学をした。工場の中はやかましく、騒音が平気かどうかを訊かれたけれど、これくらいは大丈夫だった。工場なんて、大抵はやかましいものである。それに、途中で辞めてしまったとはいえ、製本工場のアルバイトを2度やっている。それに比べれば、騒音というほどのやかましさはない。必要であれば、耳栓をくれるそうだけど、おそらくなくても大丈夫だろう。
 仕事内容は、ざっと説明されただけだった。余り深く聞いても仕方がない。実際は、ここで説明されない作業の方が多いのだ。見学のあと、最初の部屋に戻った。あとは、何日までに連絡します、それでは、という流れかと思ったけれど、僕が良ければ採用したいという。それならば、当然、お願いします、と答えるしかないではないか。ここで決まれば、もうひとつの派遣会社の仕事を当てにする必要はなくなる。
 もし、昨日、工場見学に来ていたら、昨日のうちに決まっていたのではないか、と思ったけれど、そのようなことを考えても仕方がない。それは結果論で、仮に午後の面接を断って、こちらの工場の面接を受けていたとして、必ずしも採用されたかどうかは解らない。昨日は昨日で、ベストな選択をしたのだから、1日のロスで良かったとしよう。採用であれば、これまでの経緯を気にすることはない。 
 制服貸与だけれど、用意するのに数日掛かるということで、来週の月曜ではなく、火曜から出勤することになった。つまり、仕事の決まった3連休、土日月が休みになったわけである。正確には休みではなく、無職期間が3日間増えた、ということだけど。2カ月近く無職が続いていたので、仕事の決まった無職期間というのは、とんでもなく嬉しいものがあった。
 そして、家に帰ったあとで。例の如く、この仕事の利点をいくつも上げ、この仕事を大阪で最後の仕事にするぞ、半年で30万円を貯めるぞ、と考えて。仕事の決まった無職期間は、酒を飲んで過ごすのだった。ただ、あえて考えないようにしていたけれど、工場の仕事とは直接関係ない条件、1日休むと時給が減る、ということが気に掛かり、必ずしも吹っ切れていたわけではなかったのだ。
 しかし、採用された仕事を断り、面接に行けるかどうかも解らない仕事を選ぶ気力はなかった。とにかく、先に決まった仕事に行く。それしかなった。そして例の如く、仕事までの3日間、ぐたぐたと酒を飲んで過ごすのだった。

 結論から言うと、辞めるのなら早い方が良い。迷惑を掛けてしまうから、それはできない、という考え方もあるけれど、無理だ、駄目だと思ったら、早々に辞めてしまった方が良い。そりゃ、もう少しだけ頑張ろうと、半年、1年、それ以上勤められる人に対しては、そんなことは言わないけれど。少なくとも、僕に対しては、自分自身に対しては、無理だ、駄目だと思ったら、おそらくはその通りになるだろうことが解っている。情けないことに。

 結局、ここの仕事は6日で辞めた。不本意な辞め方をしたので給料ももらえず。銀行振り込みだからと期待していたけれど、そのようなことはなかった。無断欠勤のち、仕事に行かなくなったわけだから、当然というか、自業自得である。フェアじゃないので言い訳はしない。できない。
 辞めた理由は、主にみっつあって。ふたつが仕事のこと、ひとつが仕事以外のこと。
 ひとつめ。妙な女の子がいた。年齢でどうこう言うつもりはないけれど、同じ派遣会社から来た若い女の子がいて、こんな子供みたいな振る舞いをする人は久し振りに見たな、というくらいで。仕事初日から、ちょっと面倒な子だなあ、と思ったのだが、以降も、やはり面倒な子であった。これまでの職場でも、おかしな人は何人かいたので、我慢できないというほどではなかったのだが。
 ふたつめ。昼休みに過ごす場所がない。初日、食堂へ行ったらかなりの混雑で。空いている席に座ったら、いつもそこに座っているだろう人たちから妙な目で見られて。翌日は別の空いた席を探したのだけれど、そこもまた、決まって座っている人がいるようで。どないしろちゅーねん。翌日から、昼休みに工場を出て、近くの駅前商店街をぐるぐる回ったり、向かいの公園のベンチで過ごしたり、適当に外をうろついていたりした。これが春なら違っただろうけど、いくら昼間とはいえ、12月の外は寒すぎる。工場内に暖房が効いているので尚更。
 そんな環境で、毎日仕事が終わったら酒を飲んで。やっと来た休日にも酒を飲んでいて。土日に飲み食いをし過ぎて、月曜に休むという、これまでと同じパタンをくり返して。ただ、休みはしたものの、辞める気はなかった。これで、時給が80円減ってしまったけれど、これ以上減らさないよう。今後は休まずに行こう、と前向きに考えていた。考えようといていたけれど、明らかに、前向きではないと解っていたのだ。辞めるとすれば、仕事内容ではなく、時給条件が原因だろうと。
 みっつめ。休んだ翌日は仕事に行く。最初こそ、前向きに考えて仕事をしていたのだが、モチベーションが上がらない。先週と同じ仕事をしているのに、時給は900円ではなく、820円になっている。それを承知で休んだというのに。先週の仕事に加え、新しい仕事が増えている。仕事の量が増えているのに、どうして時給が減ってしまうのか。仕事の途中で嫌気が差してしまう。
 計算したのが終わりだった。1時間に80円、と考えれば少ないかもしれないけれど、8時間で640円。ひと月1万4000円。それが入らなくなる。僕に入るはずだっ給料がどこへ行くかというと、派遣会社である。そう考えたときに、もうここで働くのは無理だと思った。前向きに考えられなくなってしまったのだ。
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

ハケンアニメ(上)

 僕が派遣会社を敬遠していた理由は、最初に登録した派遣会社の対応が余り良くなかった、ということもあるのだけれど、単純に、派遣会社を介した分、採用までの時間が長くなる、という理由があった。直接雇用のアルバイトなら、面接で即決、翌日から勤務開始、ということもある。面接で即決、翌日勤務は実際にあったし、即決でなくても、当日中に採用連絡が来ることも何度かあった。
 ITとかテレアポとか、高時給の派遣ならともかく、僕ができる仕事、採用される仕事は、アルバイトでも派遣でも時給に大差はない。それなら、連絡の遅い派遣会社を頼るより、直接雇用のアルバイトを探そうと考え、派遣会社の登録は最初の1回だけで、以降ずっと、直接雇用のアルバイトを続けてきた。
 ただ、同じような条件で仕事を探していると、さすがに求人の数が限られてくる。かつて勤めていた仕事、採用を断られた仕事が求人誌に載ることもあったけど、もう1度応募しようとは思えなかった。求人がないから、応募しないというわけにもいかず、ここはもう、派遣の仕事であろうと応募するしかない、という状況に陥ったのが、去年の12月。前の仕事を辞めてから、つまりは無職65日目のこと(1日で辞めた仕事は数えていない)。
 みたいに書いているけれど、正確にはこの間にもいろいろあって。採用された仕事に行かない、次に採用された仕事にも行かない、採用された仕事を1日で辞めてしまう。そして酒をがーっと飲んでいるうちに、お金がなくなってしまった。

 12月初め、午前と午後で別の派遣会社の面接を受けることにした。詳しくは知らないけれど、午前の会社は派遣事業と請負事業の両方を行っているみたい。それでいて、募集は契約社員とアルバイトになっているという求人だった。それでも、仕事内容や勤務地の都合が良かったので、応募することにしたのだ。現地面接というものを、初めて受けることになった。
 その日はあいにくの雨で。傘を持って電車に乗る。工場最寄り駅で待ち合わせ。面接担当者はすぐに見つかって、近くの喫茶店へ向かう。白髪の混ざった年配のおっさんだった。面接を喫茶店ですることは聞いていたのだが、その場合、何も頼まないわけにはいかないだろう。コーヒーにしろ、紅茶にしろ、少なくない額の代金を払うことに躊躇いがあった。喫茶店などほとんど行ったことがないし、何より、金がほとんどない。コーヒー1杯で、今日の往復の交通費になる。
 そんなみみっちいことを考えながら席についた。当然、向かい合う形になる。仕方ない、飲み物を頼む、頼まないで印象を悪くするのもアホウらしい。一番安い飲み物を頼もうと決めたのだが、幸いなことに、担当が出してくれるというので、ミルクティーを頼んだ。喫茶店の紅茶が飲みたいわけではなく、水を向けられたからである。まあ、普通に考えれば、担当ひとりだけが飲む、というわけにはいかないよな。しかし、店員のおばちゃんが持ってきたのは、レモンティーだった。いちいち指摘はしない。担当は、間違いに気づいていないみたいだった。僕も気づいていない振りをする。
 それなりに混雑していて、騒がしいけれど、話ができないほどではない。最初に、筆記試験と適性検査を受けた。筆記試験はSPIのようなもので、適正検査は指定された数字を探したり(『ワギャンランド2』みたいな)、ネジにボルトを嵌めて所定の位置に並べるものだった(これと似たようなことは、最初に登録した派遣会社でもやった)。どちらも難しくはないのだが、目の前で見ていられると、やりにくいものがあった。
 そのあとで、契約書のようなものを書き、仕事の説明を受けた。派遣先の工場で働くというので、やはり派遣会社みたい。何人かの派遣社員がその工場で働いているようである。説明を聞く限り、仕事の内容に問題はなかった。出勤日や労働時間も。残業も強制ではない。
 気になったのが、僕の住所を確かめて、自転車で来られる距離だと決めつけてきたこと。地図を見て、自転車で行ける距離だとは思ったけれど、交通費次第では電車で行こうと考えていたのだ。特に、今日のような雨の日は、電車の方が都合が良い。けれど、交通費にこだわって印象を悪くするのもどうかと思い、自転車でいきますと答えた。なんというか、交通費を払うのなら採用しない、という感じがしないでもなかったからだ。
 そのあとに、給料の説明を受けた。社会保険が強制加入ではない、というのは助かる。少しでも、給料の額は減らしたくない。自転車なら、交通費は掛からない。まあ、かつかつではあるけれど、このくらいの条件が妥当だろう。これより好条件になると、採用の確率が低くなる。
 時給900円の8時間労働で、どうにか凌がなければ、と考えていたのだが。時給の説明で妙な点があった。書面を見ながら説明を聞いていたのだけれど、そこに書いてある時給が求人誌に載っていたものとは違うのだ。100円加算されて、時給1000円ってことか、求人には書いてなかったけれど。訊ねてみると、そうではなくて。
 本来の時給は800円で、そこになんとか代が加わって、時給900円になるのだという。なんとか代ってのは忘れた。なんとか費とかなんとか料だったのかもしれないけれど、聞き覚えのない名前だったので覚えていない。なんとか代がなんでも良いが、時給が求人通りの900円ならそれで良い。そう考えていたら、驚くべきことを知らされた。
「1日休むと、その月の時給が80円減ります」
 なんですと?
「2日休むと、更に時給が80円減ります」
 なんですと?
「ですから、用事があって休むスタッフは、みんな早退で対応しています。それなら、時給は減りません」
 いや、いや、いや。おかしくないか。用事があろうが、体調が悪かろうが、欠勤したら時給が減るってことだろう。なんだそれは。明らかに、頷きにくい条件だったけど、ここで断って、午後の面接で受かる保証もない。というか、この仕事さえ、受かるかどうかが解っていないのだ。ここは受け入れておくしかない。
 休まず仕事に行くのは当たり前のことだし、むしろ、前向きに考えよう。休むと時給が減ってしまうから、休まずに仕事に行こう。よし、そうしよう。この場ではそう考えたけど、明らかに前向きの考えではない。けれどこのときは、条件を前向きに捉えるしかなかったのだ。
 はい、大丈夫ですと返事をして、これから派遣先の工場へ行くことになった。工場見学のち工場の採用担当との面接。担当の車で連れていってくれるという。展開が早いのは助かる。担当が、工場へ電話を掛けたのだが、先方の都合が悪く、これからすぐは無理のようだ。なんだそれは。14時からなら大丈夫だと、担当が僕に言うのだが、僕が大丈夫ではない。午後には他の派遣会社の面接があるのだ。採用が確実であれば、午後からの面接を断ったけど、そこまで踏み込んで訊けなかった。
 午後からは別の会社の面接があることを告げた。並行して仕事を探しているのだから、正直に話すしかない。工場見学は明日にしてもらい、午後は予定通り、もうひとつの派遣会社へ行くことにした。可能性は薄いけれど、こちらの方が即時採用してくれるのであれば、当然、明日の工場見学は断ることになる。この時点では、どちらの派遣会社も平等に考えていたのだ。
 面接は1時間くらいで終った。自宅最寄り駅近くの酒屋の自販機で酒を買って帰る。午後からの面接まで2時間ほど時間があるし、ちょっと肩透かしな面接だったと感じていたせいもある。もっと単純に、この時期は無職でありながら、ほぼ毎日酒を飲んでいたので、面接前でも抵抗がなく飲めてしまったのだ。日本酒の180mlくらいと。

 午後の面接は、歩いていける隣接市。傘を差して家を出る。ほとんど酔っていないので大丈夫だろう。余裕を持って家を出たので、駅前商店街で適当に時間を潰してから本社ビルへ。説明担当だろう女の人が、ふたりしかいなかった。大手の派遣会社ではないのだろう。まあ、会社の規模を気にしても仕方がない。採用されるか、されないかが問題なのだ。
 これまでと同じく、履歴書を渡したものの、派遣会社独自の履歴書のようなものに記入する。そのあとで、女性担当者からの仕事説明。ここは、筆記試験も実技試験もなかった。けれど、応募した求人とは違うものを紹介された。まあ、予想していた展開だけど。こちらの求人であれば、すぐに面接を受けられますよ、とのこと。
 自転車通勤でも構わないと言ったので、こちらを紹介してくれたのだろうけど、そこは前に辞めた仕事、4月から9月まで勤めていた職場のすぐ近くだった。住所からの判断なので、確実ではないのだが、おそらくかなり近い。これは不味い。工場の名前に聞き覚えはなかったので、向かいにあるとか、隣にあるとかではないけれど、即答はできなかった。よろしくない辞め方をした職場の人に、新しい仕事を始めて会ってしまうという状況は避けたい。 
 それに、労働条件が厳しい。8時から20時まで。残業があるときは12時間なのかと思って訊ねたら、残業ではなく定時、常に拘束12時間ということである。明らかに躊躇われる求人だった。利点としては、時給920円の実働10時間20分なので、1日働けば約1万円が入ること、こちらの派遣会社は週払いで給料が入ることくらいだった。
 時間が掛かっても仕方がない。最初に応募した求人を優先することにした。もし、そこが駄目だったら、こちらの求人を考えてみます。ここも1時間くらいで面接は終わった。試験がなかった分、多少短かったというくらい。
 隣接市へ来たので、帰りに宮本むなしへ寄った。ハンバーグ定食。午前の面接が即決だったら、あるいは、午後の面接が即決だったら、採用祝いに宮本むなしへ行こう、と考えていたのだ。まあ、そんな都合の良い展開はなかったわけだが。どちらの派遣会社も肩透かしで、いろいろと疲れてしまったので、お金はないけれど、宮本むなしで食事をして少しでも元気を出そうと考えたのだ。とりあえず、美味しいものを食べれば気持ちは良くなる。
 自宅に戻って、突然に紹介された求人の工場を調べてみた。確かに、以前の工場と近いけれど、道路を一本挟んでいるので、通勤時に知り合いに会うことはなさそうだった。一番近いコンビニが同じだったけど、食事をコンビニで買うことはないので問題はない。万一のときは、ここも視野に入れておこう。
 この時点での優先順位は、午前に受けた面接の方で。バカみたいに稼ぐ必要はないので、充分といえば充分である。休むと時給が減る、という不安はあるけれど。午後の面接は、最初に応募した求人が通るのが理想だけれど、こちらは難しいだろう。派遣会社から紹介してもらえない以上、どうすることもできない。いつまでも待つ余裕はないのだ。応募できるのは、12時間拘束の仕事、と考えておいた方が良い。
 夜になって、自販機へ酒を買いに行く。明らかに飲み過ぎなんだが。それは充分に解っているけれど、酒を飲まなければどうしようもないくらいに不安だったのだ。
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

予定変更

 5月の連休に書き終えるはずだった、派遣会社云々の記事をひと月遅れて書き終わり。3記事で終わらせるつもりが、そう上手くもいかなくて、プラスアルファみたいな感じに。当初予定した記事とは、内容や構成が変わってしまったけれど、これは近いうちに公開できそう。本当は、プラスアルファも一緒に公開したいけれど、それを待っていると切りがなく、かなり先になってしまいそうなので。
 遅れに遅れてしまったため、週に1回公開するのではなく、月火水で公開するような気がする。最低限、誤字脱字には気をつけているけれど、いくらか残っているだろうことは、先に謝っておきます。ごめんさない。
 とりあえず、これで、ブログを中断していた11月から年末までの出来事が埋まるはず。今の仕事のことは、今の仕事をしていうちに書ければ。週に1度のブログ書きくらいは、できるはずだと思うのだけど。今回の3連休も、毎日なんらかの記事を書いて、更新するつもりだったけど、それが結局できなくて。ブログに依存しない程度にブログを書くというのが難しい。毎日書くことはできるけど、それだけはもうしないよ。
 
 追伸。予定より2カ月ほど遅れて、『40周年記念コンサート さだまつり』『4000&4001回 in 日本武道館』『風の軌跡』をAmazonに注文した。遅れたために、ライブCDと新アルバムを一緒に買うことになってしまった。
 当初は、これからがんがん残業するぞ、という心構えだったけど、両腕の怪我のせいでそれが保留になり、治しているうちに、残業は面倒で定時で帰りたい、と思うようになってしまった。定時でも、最低限の貯金はできるし、何より読書の時間が増えるので、利点は確かにある。その場合、酒を控える、酒代を減らす、ということが前提になるのだけれど。 
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

 4連勤終了。明日から3連休。どうして金曜が休みなのかが解らなかったけど、金土日の3日間が社員旅行なのだ、と今週の朝礼で知った。そういえば、そんなことを以前の朝礼で言っていたっけ。僕は派遣で関係がないので、近々社員旅行がある、ということは覚えていたけれど、詳しい日程は知らなかった。参加しない僕が、社員旅行っていつからですか、と訊くのもおかしいだろう。
 理由はともかく。1年に1度しかない平日休みの3連休。これは有効に使わせてもらおう。とりあえず明日は、床屋と神戸物産へ行くつもり。どちらも、週末の混雑時に行っているので、平日の昼間、空いているときに行っておきたい。今日は今日で、家賃を数日遅れて支払ってきた。4月末以降は、家賃や電気代やNHKが支払日に引き落とされる状態に戻ったけれど、支払いの優先順位を考えた結果、5月支払いの家賃を数日遅れで(10日くらい)払うことにしたのだ。
 これは当然、週払いの給料を加えることによって、支払いができたのである。派遣社員の週払いだったからこそ。正社員を羨むだとか、派遣という形態を嫌だと思ったことはないよ。まあ、作業内容や給料からすると、アルバイトと変わらないので、僕の中ではアルバイトをしている、という感覚なんだけど。
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。
あのねこながい。
最新記事
プロフィール

もぐさ。僕っ子(大嘘)

Author:もぐさ。僕っ子(大嘘)
30代フリーター。アルバイトで食いつないでいます。

体調維持。腹八分目。消化で体力を消耗しない。節約して貯金。同情より金。とにかく金。同情するなら金をくれッ!!

メールやコメントの返信は、著しく遅くなることがあります。申し訳ありません。また、スマホからのコメントは書き込めない場合があります。

連絡先

INCIPIT TRAGOEDIA。
かくして借金返済の日々が始まる。
借りた金は返さなければいけない。

ブログランキング・にほんブログ村へ follow us in feedly

カテゴリ
記事数
検索フォーム
カレンダ
05 | 2015/06 | 07
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
月別アーカイブ
09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06 
リンク
RSSリンクの表示
アクセス解析