天国の涙

おいしいコーヒーのいれ方 Second Season VII 記憶の海 (JUMP j BOOKS)おいしいコーヒーのいれ方 Second Season VII 記憶の海 (JUMP j BOOKS)
村山 由佳 結布

集英社 2012-06-26
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 村山由佳氏の『記憶の海』を読了。しばらく振りの日本編。勝利が日本を逃げ出して、オーストラリアでうだうだぐたぐたしている時期、かれんを始め、日本に残された人たちの話。日本編ということで、語り手はかれんの弟の丈で、今風に言うと、勝利よりもリア充なんじゃね、みたいな。
 『凍える月』のラストで、例の事件が起こったものの、次巻の『雲の果て』で勝利がオーストリアへ飛んでしまい、続く『彼方の声』でも、事件のことや、日本のことはほとんど触れられず仕舞い。語り手が勝利である以上、勝利が考えない、思っていないことは、読者には知りようがないからな。
 とはいえ、勝利がいなくなったところで、殺された子供が生き返ることはなく、由里子さんやマスターはもちろん、丈やかれんや叔母夫婦、関係者たちは、そのことを認めた上で生きていかなければならない。時系列は、勝利がオーストラリアへ行ったころに戻り、丈の視点により、例の事件のその後が明かされる。勝利が2巻分もうじうじしているのに、かれんも由里子さんも、京子も、おそらく星野も、みんな前へと進んでいる。勝利がぐたぐたしている、1巻分の時間でな。
 確かに面白い構成ではあったけど、人気作家で、売れ行きが安定しているからこそ、といった感じがする。新人作家では、ヒロイン不在のエピソードを2巻も書かせてはくれないだろう。その次は、主人公が不在だなんて。シリーズが長く続き過ぎて、かれんが美術の先生をやっていたことなんて忘れていた。もっとも、刊行ペースが遅いから長く感じるだけで、シリーズを、1年、2年で完結まで書いている作家は何人もいる(森博嗣氏や至道流星氏など)。
 マスターのひげがなくなり、すべてが打ち明けられるのか、というところで次巻に続く。サイトは見ていないし、見る気はないのだが、次巻がこのまま日本編の続きなのか、またしても、勝利視点に戻ってしまうのか。いずれにしても、何も知らない勝利が戻ってきたときは、残された人たちの変わりように、驚くこと間違いなしだよな。
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

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