正気の沙汰とは思えない

 そんなわけで面接に行ってきた。どこかというと、入社早々にバックレた倉庫のはす向かいの工場である。
 最寄駅が近いどころではない。勤務地が近く、同じ通りに面しているのだ。工場へ行くには、バックレた倉庫の前を通らなければいけない。もう働く気がないのなら、申し訳ありませんが辞めさせてください、と言ってくればいいだけなのに、それができないため、帽子をかぶって、顔を隠して、その前を足早に通り過ぎ、工場への面接へ向かうのだった。
 この工場に採用されたら、今後僕は、帽子と眼鏡で変装して、通勤しなければならない。犯罪者の気持ちが良く解った。というか、連絡もせずに仕事を辞めた僕は、もはや犯罪者と呼ばれても仕方がない。本来、踏まなければいけない手順さえ、踏むことができないのだ。石を投げられても仕方がない。

 帰って郵便受けを見ると、バックレた倉庫から郵便が届いていた。対応が早いなと思ったものの、体調はいかがでしょうか、退職を希望されているのでしょうか、という文面があり、こちらを責める言葉がまったくないことに泣きそうになった。一方的に無断欠勤をして、勝手に辞めると考えて、お叱りの言葉や、恨みごとが書かれていても当然だったはずなのに、このような優しい言葉を掛けて戴けるとは。辞めるべきではない仕事を、僕は辞めようとしてしまったのではないか、と後悔してしまうくらいで。
 今後2度と、連絡することなく仕事を辞めることは、バックレて仕事を辞めることはしない、と誓いながら、大変申し訳ありませんが辞めさせてください、という旨を書いた手紙を送るのだった。直接行けないのなら、せめて電話でお詫びしろよと思うものの、そのような気力がなく、書面で済ませてしまう。何をやっているのか、俺は。
 
 そして、郵便局(ATM)へ行って残高を確認したら、食品加工工場の不足分の給料が未だに振り込まれていなかった。振り込む気があるのかないのか、ないのなら、法曹界の知り合いに声を掛けて訴えてもいいんだぞ、などと強気で電話を掛けるのだが、工場長は仕事中で電話に出ることができません、と言われた。なに? ここの事務員さん、やたらと強いよ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
それが、実弾だ。生活に打ち込む、本物の力。

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もぐさ。僕っ子(大嘘)

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