これが車谷長吉だ

 数年前、地下鉄神楽坂駅の伝言板に、白墨の字で「平川君は浅田君といっしょに、吉田拓郎の愛の讃美歌をうたったので、部活は中止です。平川君は死んだ。」と書いてあった。
 十数年前のある夜、阪神電車西元町の伝言板に、「暁子は九時半まで、あなたを待ちました。むごい。」と書いてあった。
 いずれも私には関係のない出来事であるが、併しこれらの白墨の文字霊は、ある生々しい思い出として私の記憶に残っている。書かずにはいられない、呪いにも似た悲しみに、じかに触れたということだったのだろうか。
(赤目四十八瀧心中未遂/車谷長吉)

 ここ17年、印象に残った小説の冒頭は、中井英夫氏の『虚無への供物』だったけど、それがようやく塗り替えられた感じ。すげえな、車谷長吉。これはもう、著作すべてを読んでしまうに決まっている。ミステリを読みたいはずなのに、しばらくは、私小説やそれに至る系譜を読み漁りそうな。
自分の夢のために、子供を道連れにしないように。

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