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「言葉で説明するのはとても難しいんだが、何と云うんだろうか、中也君、君はね、俺と“存在の形”が似ていると、そんなふうに感じられて」

 綾辻行人氏の『暗黒館の殺人』(文庫版)を読了。ノベルス版は既読。1巻2巻、3巻4巻とも、ほぼ発売日に買ったのだけれど、読み始めるまでに2年以上も掛かってしまった。『十角館の殺人』は、新装改訂版を含め、繰り返し読んでいるというのに。ノベルス版は2005年に読んでいて(発売の翌年)、その年に読んだミステリベストにも含めているのだが。
 再読ということで、できる限り注意しながら読んだ。初読のときは、館シリーズ最新作という印象が強かったので、とにかく物語を読み進めていっただけ。文庫版での試みとして、終盤は、中島みゆき氏の「エレーン」「異国」を流して聴きながらの読了。費やした期間は、ノベルス版が2週間、文庫版は1週間。
 とりあえず、玄児さんは煙草を吸い過ぎ。犀川先生でも、そんなに吸わないだろう。あとで説明してあげよう、の科白以上に気になってしまった(『十角館』では、新旧ジュヴナイルすべて、「煙草をくわえる」だが、『暗黒館』では、「煙草を銜える」になっている。まあ、どちらでも構わないのだけれど、気に掛かったことなので)。
 それと、これは意図的なのかもしれないけれど、読点を打つか、文末の文章と繋げた方が自然に思われる、妙な区切りの文章がいくつもあった。『十角館』の新装版では、そのような違和感を覚えなかったので、『暗黒館』特有の書き方かもしれない。明らかに間違いだろうと思ったのが、作家「宮垣杳太郎」。西澤保彦氏も、羽迫由起子の名前を、由紀子とするミスが何度かあった。ただ、ウサコは当初脇役だったから、勘違いしてしまったのかもしれないが、シリーズの主要人物の名前を間違えるだろうか、と思って調べてみたら、ノベルス版では「葉太郎」だったものを、文庫版で「杳太郎」に変更したようである。他作品の内容に触れるので、ここに理由は書けないけれど。
 3巻4巻の帯やリードで、「本格&幻想」に「ゴシック」とルビを振って、「ゴシックミステリ」と読ませていたが、これはなかなか的を射ている。幻想ミステリというのをイメージしていた方であれば、これだけの長さも気に掛からなかっただろう。反対に、本格ミステリを期待していた方にはきつい。とはいえ、ミステリ以外の要素が楽しめなかった訳ではない。玄児と中也のコンビは、少なくとも、江南と鹿谷のコンビよりは魅力的だった。文庫読了時に、ちょうど「人間失格」のアニメを放送していて、葉蔵と堀木のイメージが重なってしまったからかもしれないが。
 (綾辻氏の言う)本格ミステリの、雰囲気作りは良くできていた。舞台設定のためだけに奇妙な人物たちを配置した訳ではなく、その人物特有の条件によっての論理の応酬は、やはり読み応えがあった。犯人に至る論理的な展開は、実に端的で解りやすい。また、4巻はすべてが解答編という趣向はたまらない。最終巻だけは、どうあっても一気読みをしてしまうではないか。幻想要素を削ぎ落として、推理、論理部分を押し出して纏めれば、かなり気の利いた作品になったのでは、と思ったけれど、確か、「フリークス」がそのような短編だったかな。
 そうなのだ、再読して解ったけれど、確かに面白いし、これこそ綾辻行人といった印象もある。それでいながら、館シリーズの他作品を再読することはあっても、本作を読む可能性はかなり薄いような気がする。とは思っているものの、『暗黒館』の新装改訂版が出るのであれば、おそらくきっと読んでしまうのだろうが。
 それよりも。残る館は、いったいいつ姿を見せてくれるのか。なんだかんだと言っても、僕は館シリーズが好きであるし、綾辻行人氏のファンであることはまったく変わらない。(2010/01/12)
人は人に影響を与えることもできず、また人から影響を受けることもできない。

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